紙の味

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相合傘 - IMGP1581

信濃町のどこに「信濃」があるのだろうと考えるひまもなく、慶応病院から四谷三丁目方向に向けて歩き始める。路地を選んで富久町から新宿6、7丁目、そして戸山公園の中に入る。

人の賑わいは、たった今まで行なわれていた高田馬場流鏑馬のためだ。馬上から弓をひいて的に当てるやつだが、知らぬこととはいえせっかくのフォトジェニックなイベントを見逃してしまったのは、とても残念だ。もう馬もいないし、射手もいなかった。古式ゆかしいウグイス色の羽織をまとった老人たちが、足をひきずりながら立ち去ろうとしているところだった。

なんだか気乗りのしない散歩コースを歩き続けることになってしまった。カメラはただぼくの肩でゆれているだけだ。

高田馬場駅をすぎたところで、無糖の缶コーヒーを飲んだが、とてつもないまずさだった。ふつう糖分でごまかしているところを、罰ゲームで本性をさらけだしてしまったような感じだ。あまりのまずさに銘柄を忘れてしまった。

青梅街道で、ネクタイと白いワイシャツの若い男に声をかけられた。その善意以外なにもありませんというような笑顔に、とっさにいやなものを感じて、そんな善意は通用しないということを顔いっぱいで表現するようなしかめ面をしたら、立ち去っていった。撃退成功と思ったが、ひょっとしたら道を尋ねたかっただけという可能性もあり、そうするとぼくは単なる気味の悪い男だ。そう、考えてみると、あまり手相を観たり、壺を売りつけたりするのに向いた場所ではなかった。

軽く歩こうと思っていたが今日も歩きすぎだ。どうにか、芝居をみる予定の新宿にたどりついて、ねぎしの新メニューたっぷりキャベツと鶏のじゅうじゅう焼きを試す。じゅうじゅうという音は確かに聞こえたし、鶏肉もおいしかったが、なぜかキャベツが紙のような味がした。紙は食べたことないので、よくわからないけど。

天気
晴れ
散歩
信濃町駅~戸山公園~高田馬場駅~小滝橋~新宿駅(10.9km)-[地図]
飲み食い
新宿ねぎし(新宿):たっぷりキャベツと鶏のじゅうじゅう焼き-880円
イベント
拙者ムニエル『面白く山をのぼる』(新宿シアタートップス)

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