3時に芝居が終わって外に出ると、会場に入る前に晴れていたのがうそみたいに、厚い雲に覆われていた。そのまま散歩を始めるが、低気圧はぼくの頭にもときおり嵐、つまり偏頭痛をおこす。
寺の入口に小学6年生の男子が書いたという詩のようなものがはりつけてあった。「あいつはキライ これはダメ あいつは困る こいつはいい と切り続ける 私はどうも ハサミのようだ」。ううん、よくわからないが、シザーハンドと呼んでやろう。
民家の入口の脇になぜか真新しいボストンバッグが放置してあった。準備万端という感じなのだが、持ち主の姿はどこにも見えない。ひょっとして置いたまま旅に出てしまったのかもしれない。
蚕糸の森公園の紅葉はもう見頃をすぎて、枯れて変色した葉が色あせた記憶のように地面に積み重なっていた。
桃園川の緑道沿いにおそろしく年代物のアパートをみつけた。通路は裸電球でかろうじて照らされていて、はりめぐらした物干し竿にはカサや布団がぶらさがっている。その向こうには不似合いな真新しい自転車。裏口に向こうから人間くらいの高さの灌木が幽霊のようにこちらをのぞいていた。もちろん写真を撮ったが、めいっぱい開放にしても1/4秒しかシャッター速度を稼げず、手ぶれしてしまった。やっぱり、手ぶれ補正付のカメラがほしい。
中野で散歩をおえて食事。北口のラーメン激戦区にある桜桃というつけそばメインの店に入った。普通盛りで麺が300gというから、かなりの量と思ったが、むしろちょっと物足りないくらいだった。チャーシューや味付けたまごが入って、なかなか豪勢だったが、スープはもう少し温かい方が好みだ。

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