日が落ちるのが早くてあまり遠くにいけなくなっている。今日は近場でありながら散歩の空白地域である、川崎の臨海部にいってみることにする。
100万都市を司ると思えないくらい貧相で古びた市役所前から、かつて横浜(当時は大洋ホエールズ)やロッテが本拠地にしていた川崎球場前を通り過ぎる。同じ敷地にある川崎競輪場の開催日だったので、今日はかなりにぎわっていた。すぐそばに川崎競馬場もあり、このあたりはギャンブル銀座だ。
ギャンブルとならぶこのあたりの風物詩(とぼくが勝手に認識しているだけだが)が、商店街だ。駅から離れているのに、いい感じで齢を重ねた人のしわのようにほんとうにあちこちに商店街の街路が走っている。往時は工場で働く人々の台所として機能したのだろうが、今ではみんな車を持っていて、川崎駅前か横浜、東京にいってしまうだろう。日曜日の午後のせいもあるかもしれないが、かなり閑散としている。
ぼけっと歩いていたら動物(たぶんイヌかヒト)の糞を踏んづけた。むぎゅっといういやな感触だ。いやだと思うのは、それが糞であることを知っているからで、知らなければそれなりにいい感触かもしれない。
産業道路を渡る。このあたりは生まれ育った場所からあまり遠くないが、小さい頃、大きなダンプが轟音と震動をたてて走り抜ける産業道路は恐怖の対象だった。近くにある工場のいかめしい建物とあわせて、もし地獄というものがあるとしたらこんな感じだろうと、幼心に思っていた。今では、(地獄に近い状況を実際に経験したこともあって)、もちろんそんなことはなく、特に工場は思わずカメラを向けるフェティッシュのひとつだ。
鶴見線と南武支線の接続駅浜川崎。ちょうどステンレスの車体に黄色と青と水色のストライプが入った鶴見線の電車が停まっていた。30分に一本しか走らないので見ることができたのはそれなりに幸運だ。運行本数の少なさに逆に超然とした風格のようなものを感じる。鶴見線かっこいい。
少年時代に何度も何度も通った道。細部はほとんど忘れているが、いまだに夢によくでてくる。今日そのあたりを通り抜けて驚いたのは、夢でみた風景とあまり違っていないことだ。もちろん夢の中ではすべてがあいまいなのだが、数学のトポロジーの用語を使えば明らかに同相なのだった。逆に、実際歩いてみても懐かしさはわき上がらなくて、目新しさを感じるばかりだった。夢でだけ見たことのある見知らぬ街だ。
鶴見まで歩いて、再び川崎に出る。鶴見の改札をうまく通れていなかったようで、ピンポンとブロックされた。Suicaは時折こういうことがあるのが嫌なところだ。 ラゾーナ川崎の京風うどんの店に入った。京野菜天ぷらおろしうどんを注文したが、野菜の天ぷらは3~4品くらいしか入ってないし、うどんの量も少ないし、かなり物足りなかった。


いつもおもうんですけど、sugiさんの文章って小説のようでなんかすごく心地いいです。「夢でだけ見たことのある見知らぬ街」ってステキですね。わたしもなんかそーいうのある気がします。
17日の分のデータが散歩地図に無いようだけど?
蛇足でうちの。
http://awagumo.net/map/20061217_yokosuka.html
SONYのGPS-CS1Kで取ってるけど、概ねあってそう。ビルが多いところでは取れなかったり、位置が飛んでたりするけど。
>petite-tomoさん
ありがとうございます。基本的には自分用の備忘録なんですけど、事実を列挙するだけじゃつまらないので、文章にちょっとこってみてます。散歩を鍋にたとえると、最後にご飯をいれて雑炊にしたのがこの雑文です。うどんかもしれませんけど。
>Woinary
見ました。見ました。GPS-CS1Kには興味あったんだけど、それなりに使えそうだね。ぼくなんかだと散歩のコース度忘れしたときに便利そう。ただ、そのまま記録するというわけにはいかなくて、やっぱり手作業で補正が必要そうですね。あと、写真へのGPS情報記録も簡単にできるんだよね。それが本来の用途か。
PS. 散歩DB機能拡張中なので、16日、17日の散歩コースはまだ載せていません。