blue plum, happy life

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西立川駅ホームの発車ベルはなぜかユーミンの『雨のステーション』だったが、降りそそいでいるのは雨ではなく、まばゆいばかりの日射しだった。

最後、車両の中はぼくひとりになっていた。890円と長い長い旅路の果てに青梅にたどり着く。駅のホームでは、電車を乗り間違えてしまったと、男が苦笑しながら携帯で話していた。どこにいくつもりだったのだろうか。

背後に山が控え、片側しか出口がない。もっとにぎわっているかと思ったが、大きなビルのないローカルな駅前だ。スーパーの長崎屋があったはずだがそれもなくなっていた。もともと偶然残っていた昭和の遺物で知られた街だったけど、今では古い映画のポスターを街道沿いに貼りだしたり、天才バカボンのキャラクター像を置いたりして、意識的に昭和を演出しようとしている。でも、そんなものがなくても十分ノスタルジーを感じさせてくれる街だ。

努力の甲斐あって、こんな遠くなのに2時前に歩き始めることができた。冷たい風が吹いていたが、1時台の太陽はそれなりに力強く祝福してくれる。むしろ青梅駅より開けている東青梅を通り過ぎ、青梅街道は新宿までの最短経路を求めて瑞穂、東大和方面に向かってしまうので、青梅線沿いに進む奥多摩街道に入る。

羽村駅のそばから玉川上水の河口へ。多摩川から水門を通ってくる水はそれなりに荒々しくて、川幅も広かった。玉川カルテットが忘れられても玉川上水の採掘を指揮した玉川兄弟の名前は永久に残るだろう。

多摩川沿いの土手道をゆく。多摩川はとても身近な川だけど、ここまで上流で見るのははじめてだ。白と黒のコントラストが強烈で、下流の雄大さとは違って荘厳な神々しさのようなものを感じる。

太陽が傾いて影が土手の下に悪意のように伸びていった。やがてその太陽が川向こうの森に沈み、足元が影に包まれるが、少し離れた丘の上はまだ日射しに照らされている。まるで太陽がもうひとつあるようだった。横田基地の方からやってきた戦闘機が二台追いかけっこをするように西の空に飛んでいった。空気が砕かれるような轟音がさらに後から追いかけてくる。

河原にはたくさんの猫たち。ぐったりしているような猫の頭を仲間の猫がていねいになめていて、さらに別の猫が背中に寄り添って温めてあげていた。少なくともそういうふうに見えた。暗く凍えるような夜がやってこようとしていた。

福生駅に近づくと、風景が街らしく一変した。これで、青梅市、羽村市、福生市という散歩の空白地帯を一気に塗りつぶすことができた。

吉祥寺に出て、久しぶりにおひつ家という定食屋に入ったら、テーブルの配置が変わって、面積もかなり狭くなった気がした。時間帯もあるかもしれないが、客の数がとても少ない。以前はこんなことなかったのだが。

冷たい風に吹かれたら、なんだか、たまらなくカフェモカが飲みたくなった。

天気
晴れ
散歩
青梅駅~東青梅~羽村~玉川上水河口~福生駅(11.0km)-[地図]
写真
5/23
飲み食い
おひつ家(吉祥寺):ポークシチュー-820円
タリーズ(吉祥寺):カフェモカ-430円

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