久しぶりに晴れ渡った週末。気温がぐんぐん上がり、歩いていると汗がにじみ出てくる。
西武ドームの銀色に輝く屋根の下では、フリーマーケットがおこなわれている。整然と管理されている様子がまるで避難所のようだった。
村山貯水池に向かうつもりが逆方向に進んでしまった。Uターンしてドーム前を通り過ぎ、高台にそびえる金乗院の五重塔を目指す。五重塔は近くでみるとちゃちな感じがしたが、そのまわりのコの字形の回廊は、照明がついていないので昼なお暗く、両側の壁に大小の仏像が安置されていて、肝試しにはもってこいだった。
貯水池のまわりではたくさんの人が午睡を楽しんでいた。この場所でできることで、一番楽しいことかもしれない。貯水池を二つに分ける南北の橋を南側に渡り終えて少し進んだところで、頭をスポーツ刈りにした中学生くらいの少年たちに丁寧に道を尋ねられた。武蔵村山に行きたいという。つい、今ぼくが進んでいる方向を指さしてしまったが、考るうちにだんだん逆の方向のような気がしてきた。彼らには未来の時間はたっぷりあるだろうから、これくらいの寄り道もいいものだ、とは考えてくれないだろうか。
道路をはなれ緑地の中の舗装されていない道にはいった。先をゆく初老の夫婦が手招きする。富士山がみえるという。確かに、遙か西の山脈の向こうに勇壮な形が浮き上がっている。日本人は富士山を見ると人にそのことを伝えたくなるものなのだ。
物置といった方がいいような神社の参道の階段を下ると青梅街道に出てしまった。このあたりを歩くと、いつも青梅街道に出てしまう。長く退屈な行程のあと、さきほど一時靴裏をすりあわせた多摩湖自転車道に合流して、東村山中央公園へ。
公園には様々な人々がいる。自転車を一漕ぎごとにとめながら、木々に咲く花を携帯電話のカメラで撮っている可憐な少女。Flickrを紹介してあげたくなった。一緒についてきている弟たちは退屈そうだ。大きな凧をあげようと、風向きを確かめつつ、凧と糸の先の間をいったりきたりしている男性。やがて凧は舞い上がり、今まで素知らぬ顔をしていた人々の視線を集めた。グローブで守備をしている子供に向かってノックをする父親。芝生の上にピクニックセットを広げて、不思議な形の弦楽器を練習する性別不明の人。なかなか楽しい公園だった。
八坂から長い商店街を通って西武新宿線の久米川まで。このところ西武線ばかり乗っている。たどりついた、西武新宿駅で、夕暮れの空の青色に西武線の車体の黄色がベストマッチだった。


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