暗い暗い空から、調子はずれのリズムで強弱をつけながら雨は落ちてきていて、それにあわせてぼくは傘を開いたり閉じたり忙しい。
雨だけでなく人も落ちてきやしないかとこわごわと池袋パルコの脇をかすめて、猥雑な街に足を踏み入れる。立ち並ぶのは風俗、ギャンブル関係の店、それに全面ピンクで塗装されたホテル。
駅から少し離れるとたちまち路地が毛細血管のように浮きあがる静かな住宅地。駅前の猥雑さとこの静けさの対比が面白い。6月に副都心線が開業すれば雑司ヶ谷駅からダイレクトにこられるようになるけど。
つつじが咲き誇っているが、あのピンクの色はコンビニ弁当に入っている漬け物みたいで下品な気がする。むしろたまにみかける白いツツジが清楚な感じで好きだ。
学生街のせいかなんとなく華やいでいる早稲田を通り抜けて、大江戸線の牛込柳町で散歩を早々と終えた。今日は6時から芝居をみることになっているのだ。
新宿に出て、芝居でたまたま隣の席になった人には申し訳ないが、揚げニンニクたっぷりのラーメンを食べてしまった。さすがにどうだろうという人間らしい心を取り戻して、劇場のある赤坂近くでガムを買うためコンビニを探す。それで気がついたが、赤坂は路地の多い街なのだった。これまでつまらない街だと思っていたが、路地の眺めはなかなか魅力的だ。
芝居が終わると雨はほぼあがっていた。銀座に出て本屋に入る。
本屋から出ると本降りの雨が待ち構えていた。しまりがない空だ。


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