東京テレポートからお台場に背を向けて有明の方に歩き出す。犬を散歩させている人が何組かいる。中でも、まだ子犬と思われる同じくらいの大きさの4匹の小型犬が目をひいた。飼い主の女性がときおり小さなボールを前方になげるが反応して拾いにいくのは先頭の一匹だけ。それぞれ悠然とマイペースで歩いている。最後尾の一匹は特にのんびりしていて、仲間と距離を空けられてちょっとあわてたような様子をするんだけど、一向に距離は縮まらない。犬より猫のぼくだけど、猫とはこんな風に散歩はできないのだ。
工場や車庫が区画を占める東雲の一角。母猫と子猫二匹が台の上で一直線になって寝ていた。近づいても社交儀礼的に顔を傾けるだけで、物憂げにまた眠りの中に舞い戻ろうとする。この世界と夢の中の世界両方に対する100パーセントの信頼感。あまりに気持ちよさそうで、なんだかうらやましくなった。
はじめてららぽーと豊洲にたどりついた。もともと石川島播磨の工場があった場所だ。そのシンボルの鉄塔がいまでも海沿いの広場にそびえている。建物の中をかすめ通っただけなので、漠然とした印象だが、最近流行の回遊型の低階層ショッピングセンターだ。東急ハンズ、無印良品、紀伊国屋書店など、一通りの店舗がそろっているので、近くに住んでいる人はほかの街に出かけなくても用が足りるだろう。海に面しているのがいい。
越中島で京葉線の電車に乗り込んだ。終点の東京まで乗ろうと思っていたのに、このときに限ったことではないが頭がぼけていて、隣の八丁堀で降りてしまった。ようやく改札の手前で気がついて引き返したら、ちょうど一本後の電車がやってきた。ラッキーと思ったぼくは幸福だ。
帰りに床屋に寄ろうと思っていたのに、時間がかなり遅くなってしまったので、駅構内のカレー屋で、かきこむようにカレーを食べた。もう少し落ち着いた状況で、落ち着いた様子で、落ち着いたものを食べたかった。

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