濡れるほどでもなく、雨はちょっと不快感をあたえるくらいの強度を保ちながら降り続いていた。
東京都町田市、横浜市青葉区、川崎市麻生区の境界が入り乱れるあたり、青葉区からみると鶏の鶏冠、当の麻生区からみると産み落としたばかりの卵のような位置に、麻生区の飛び地岡上がある。最寄駅の小田急線鶴川からちょっと南にくだると、すぐに岡上の域内に入る。
空は、雨模様の上にすでに夕暮れの暗さがまじってきていたが、地上もものさびしくて、畑と林ばかり、小学校がただひとつの近代的な建築物だった。
青葉台など田園都市線の駅を目標にしていたのだが、一度道の選択を間違えて逆方向に進んでしまう。すぐに気がついたのだが、その道を引き返すのでなく、右手にそれることにした。それが大きな判断ミスだった。結局大回りしてもとの場所付近に戻ってくることになってしまった。
7時から三軒茶屋で芝居をみるので、小田急線の方ではなく、田園都市線に接続する駅に出る必要がある。かなりペースをあげて歩いていたら、気温が低いのに汗が噴き出してきた。高台の、街灯がない、草に覆われた道を進む。今日みたいな月がない夜には懐中電灯が必要になりそうだった。どこにも通じていないのではないかと不安になる。ようやく道が下り坂になって、ほっとした。こどもの国駅はすぐそこだった。
こどもの国線で長津田、そこから田園都市線の急行電車。奇跡的に電車の接続がよかったので、三軒茶屋で食事をする時間が確保できた。


コメントする