親戚が住んでいて昔何度もいった場所を久しぶりに訪れてみる。古い記憶との戯れだ。
開業したばかりで新鮮さと作り物めいたところが同居していたいずみ野駅前は、いまや作り物感だけが残っていた。そこから松陽高校前までのバス通りはぼんやりと記憶に残っていて、その記憶のかすれ具合と街のかすれ具合がほぼ同期していて違和感を感じさせなかった。
その先はなぜかラテン語の水"aqua"と同じ音を持つ町瀬谷区阿久和。昔は阿久和というひとつの町だったが、今は阿久和南、阿久和西、阿久和東と三分割されている。かつて茫漠として埃が舞っていた広大な空き地は整然とした住宅地になっていると思い込んでいたが、驚いたことに往時と変わらぬ風景が待ち受けていた。棒くいとロープでかろうじて道らしきものが形作られているのも同じだ。そのときは新車だったような車が、さびて朽ち果てている。
その先は相鉄いずみ野線が開業する前バスで通った道。もちろん沿道の風景なんて覚えてなくて、バス停の名前に小学校のときの同級生の名前くらいの既視感を感じるのがせいぜいだ。
バスの終点三ツ境駅を通り過ぎて隣の希望ヶ丘を目指していたら、罰ゲームのように空から雨が落ちてきた。それでも希望を失わずに歩いていたら、雨は弱まったり強まったりをくりかえして、やがてそういうこととは無関係に希望ヶ丘にたどりついた。
横浜に出て食事をしてから、久しぶりに西口から東急ハンズにつながる通りにいってみたら、かつてアリック日進があって、一時期ヨドバシが入っていたところにドンキホーテがあった。ダイエー新館の4~6階にはあおい書店が入っていた。本屋の大きさは岩波文庫が占めている書棚の数でわかる気がしているが、それによると横浜駅周辺で最大級の本屋だ。横浜にようやく使える本屋ができた。


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