浅い夢の中で、アメリカ南部のニューオーリンズは、フランスの、ジャンヌ・ダルクか解放したオルレアンの街にちなんでいるということを発見した。オーリンズとオルレアンのスペルが同じことに着目したのだ。調べてみたらほんとうにそうだったのだけど、これはやはりどこかで見たり読んだりしたことを忘れていたのが、あるきっかけ(今読んでいる本にニューオーリンズが登場する)で意識に浮かび上がってきたのだろうな。我ながらすごいと思うけど、相変わらず何の役にも立たない。
どうということのないありきたりな11月初旬の日曜日だが、今日この日にふさわしい場所がきっとどこかにあるのだろう。だが、どうやら和光市はその場所ではなかったようだ。場所間違えたかなという軽い後悔とともに歩き始める。
スポーツタイプの自転車に乗って通り過ぎた人が俳優の白井晃さんに似ていた。サングラスの下の目の感じが違ったのでたぶん他人のそら似のような気がするが、実は昨日劇場で見かけていて、髪型や背格好が共通していたのだ。万が一ほんとうにそうだったら二日連続の邂逅ということになる。
陸上自衛隊の駐屯地に行く手をはばまれて大回りするうちに、埼玉県和光市から朝霞市に入り、そして東京都練馬区へ。太陽は熟れすぎた渋柿のように不格好に膨らんで、建物の向こうに沈んでいこうとしている。この季節あと一時間早く出るようにしなくては、と思うが、なかなか果たせない。
大泉学園通りを宿命のようにまっすぐ歩いて、大泉学園駅にたどりつくが、なんだか物足りないので、駅の反対側に抜ける。夜はもう手のつけようがないくらい氾濫していた。暗くて寂しい住宅街を歩いていたら、鬱々とした気分に取り囲まれてしまった。
上石神井からバスで吉祥寺に出た。街の灯りで鬱を追い払おうとするが、なかなか手強くて、結局バスの中までぼくを追いかけてきた。

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