曇りという予報だったが、空は昨日よりも暗いくらいで、街は閉店間際という雰囲気をただよわせていた。
阿佐ヶ谷から住宅地のさみしい道を通り抜けている間ずっと蛍の光が流れているような心持ちで、青梅街道に合流したところで、とうとうお帰りくださいの実力行使、雨が落ちてきた。
杉並区桃井三丁目の広大な日産工場の跡地がどうなっているかなと思ってのぞいてみた。広い原っぱはまだ手つかずで残されていて、雨模様にもかかわらず、遊んでいる家族が数組いる。西側にはマンションが林立していて、結局クィーンズ伊勢丹と日産の営業所のほかには商業施設はつくられていなかった。
西に進んでいるつもりが北を向いていて、吉祥寺目指して軌道修正をはかるが、いくどか失敗した後、ようやく吉祥寺通りに出る。先週バスで通った道を徒歩で進んだ。車は渋滞していて、さっき追い抜かれたバスとずっとつかず離れずだった。バスと競走しているつもりで歩いていたらちょっと楽しくなってきたのだが、その楽しみを味わおうとしたとたん吉祥寺にたどりついた。
伊勢丹の地下レストラン街は和食バイキングの店に一極集中で、ほかの店は閑散としている。特にカレー屋が、ドアがはずれそうになっていたりしてすごいのだが、人気のない店内に入ってゆく勇気がない。
バスにちょうど接続する電車の時刻まで間があったので、本屋を冷やかす。見渡すだけでも、読みたい本はたくさんあった。今はまだ買うときじゃない。次の偶然の出会いを待つことにしよう。

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