携帯をとりにもどって貴重な13分間を無駄にしたりしたが、予定通り西武拝島線の武蔵砂川に向かう。途中乗り合わせた喪服姿の家族連れは子供の数が多くてちょこまか動いているので何度数えても数が一致しなかった。母親はすらりとして清楚な美人で、そんなにたくさんの子供を産んだようには見えなかった。
歩き始めたのは3時45分だった。すでに夕暮れのプロセスが進行中だったが、なべてこともなしという感じの穏やかな郊外の街並みには、強迫的なところはどこにもなかった。幸福な猫のようにまんまるに膨らんだ月が輝きと浮力を徐々に増していった。
突然カメラの電池が切れてしまった。これまでの経験だと300枚撮るごとに充電しておけば平気だったのだが、今回はまだ200枚弱だ。たぶん誤って電源が入りっぱなしになるような操作をしてしまったのだろう。今日はまだどうでもいいような柿の写真を二枚撮ったきりなので、公開できる写真はなしだ。
とっぷりと暮れた夜の道の道標はスーパーやコンビニの灯りだ。弁天通りという名のその道をまっすぐ進み中央線の踏切を渡ると国立市街。
富士見通り、大学通り、旭通りという国立の駅前三大商店街を満喫できるようにコースを選んだ。久しぶりの国立はよかった。輝いていた。なんだか手を伸ばしても触れられないような気がして、だからこそ余計に輝いてみえるのだろう。たまたま耳元で流れていたヴォーン・ウィリアムスの叙情的なメロディーが街並みにとてもマッチしていた。
北に突き出ている府中市の領分をかすめて隣の西国分寺まで。
吉祥寺に出て、チェーンの定食屋の中では一番のお気に入りのおひつ家へ。今日唐揚げにされたカレイを食べて気がついたが、ここは特に魚がおいしいようだ。
新代田から大森行きの終バスに乗る。
コメントする