武蔵小金井駅は下り線だけ高架ホームが使用開始になっていて、そこから見おろす風景は見知らぬ街のようだった。いや、北口の風景に見覚えがないのは、位置関係のせいではなく、実際見ていないからだということに気がついて、そちらから歩き始めることにした。今高架ホームから北口に出るには、いったん南口側におりて、旧駅舎の中を通り抜けなくてはいけない。
今日の散歩には珍しく目論見があって、連雀通り沿いに北西に進み、西武国分寺線の恋ヶ窪にぶつかったところで南西に向きを転じ国立に向かおうとしていた。まずは連雀通りにぶつからなくてはいけないのだが、真西からあまりずれのない方角に歩いていれば交点があるはずだという、数学的な知見に頼っていたが、その知見を裏切るようにぼくは北へ北へと進んでいき、五日市街道にぶつかったところでようやくコントロールをとりもどし、南下をはじめたが、結局連雀通りにぶつからないまま、恋ヶ窪にたどりついた。
そこから先は予定通り国立へ通ずる道。22番街という名前がつけられている。高圧線が道を横切り、左手には鉄塔がそびえ立っていた。『鉄塔 武蔵野線』という小説を読んで、鉄塔一本一本に路線名と番号がつけられていることを知った。近づいてみてみると「国分寺線No.23」と書いてある。こうして見上げてみると、その荘厳な姿に畏怖に近い感情がわき上がってきた。
国立にたどり着くが、もう少し夕暮れの街を歩いてみようという気まぐれをおこし、それが仇となり、へとへとになりながら、立川の光の中に吸い込まれた。
期待してなかったのだが、吉祥寺のヨドバシカメラにWiiFitが売っていた。思わず列に並んだが、手にしたそれはずしりと驚くほどの重さだった。それをぶら下げながらなおも吉祥寺の街をそぞろ歩く。買った瞬間からフィットネスは始まっていたのだった。

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