昨日電車から降りるときに床にカメラを落としてしまった。見た目異常がなかったので平気だろうと高をくくっていたら、オートフォーカスが合焦しなくなっていた。渋谷の街中で、新年早々、暗澹たる気持ちに押しつぶされそうになりながら、ぼくの脳裏にMoonridersの「物は壊れる、人は死ぬ、三つ数えて、目をつぶれ」という曲が浮かんだと思ったら、リアルにiPodから流れていた。
そういう訳さ、ママン。
レンズをはずしたりつけたりしているうちに一瞬直ったりもしたが、長続きせず、ぼくは希望と絶望の狭間を代々木上原から参宮橋あたりまで進み、目の前には新宿の高層ビル群がそびえ立つ。
そこで今までまわらなかったリングがくさびがはずれたようになめらかにまわった。どうやら、かたくなっていただけらしい。ぴっと小気味いい電子音をたてて、夕日を浴びてオレンジ色に輝く都庁の上で、フォーカスは合焦した。都庁は巨大な電気ストーブのようだった。
それにしても西新宿の高層ビル群はなんて美しいのだろう。なおかつ崇高でもある。カントがみたら感激したかもしれない。
大江戸線の東新宿で電車に乗り込み、上野御徒町でおりる。なんかJRの上野駅と御徒町駅の中間にあるのかと誤解されてしまいそうな駅名だが、実際は御徒町駅と接続していて、東京メトロの上野広小路、仲御徒町と接続しているから上野広小路仲御徒町で、その頭とお尻をとったというのが当たらずとも遠からずなところだろう。
蕎麦屋に入ったら、値段が高くて驚いた。鴨せいろごときが1700円、しかも外税だった。鴨せいろの鴨肉の枚数は確かに多かったが、蕎麦はそれほどおいしくはなかった。コストパフォーマンス的には破滅的な失敗だ。
そういう訳さ、ハニー。


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