大きな気がかりがひとつ片づいて、それにあわせて春がやってきた。
目的地は六本木に決まっていた。出発地は六本木にたどりつけそうな場所であればどこでもよかったのだが、一本、木を差し引いて、目黒区五本木と目星をつけた。駅でいうと東横線の祐天寺だ。
歩き始めてすぐ、このまままっすぐ歩いたら、日比谷線直通で、祐天寺、中目黒、恵比寿、広尾、あっという間に六本木についてしまうことに気がつき、とりあえずは北に進むことにした。池尻あたりから駒場。このあたりどちらに進んでも既視感のあるところばかりだが、春の陽気のおかげでとても気持ちよかった。
東大駒場キャンバスの中に入る。今年はじめて梅をみたような気がする。今までは寒すぎて、梅に目をとめようという気にならなかったのだ。キャンバスをでて住宅街の中に入ると、一件の家の道路側に面した大きな窓に女性の肖像画が飾られていて、街が美術館になったような不思議な一角だった。
代々木公園を半周して原宿駅、表参道、そして六本木ヒルズに到着。五本木から六本木にインクリメント成功だ。
今日芝居をみる劇場スーパー・デラックスは六本木ヒルズのすぐそばだ。自由席で開場が開演の一時間前なので、とりあえず座席を確保してから外に出て食事をした。中でも飲食できるようだが、あまり落ち着いて食べられる雰囲気ではなかったのだ。短い芝居なのに途中休憩が入ったのは、劇場の営業上の理由かもしれない。


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