絶妙にエアコンディショニングされた空気。スカイブルーがどんな色だったかようやく思い出した。
もともと東久留米市の滝山団地を目指すつもりだったが、池袋で西武線でなく東武線に乗ってしまった。ちょっと助走をつけるくらいのつもりだったのだけど、和光市から先で東武線は大きく北に弧を描くので、西武線との間は飛躍的に開いてしまうのだ。
そのことを知ってか知らずか(もちろん知らないわけだが)、ぼくは朝霞から歩き始めた。
太陽の傾きを頼りに歩いているうちに膝折という見知った地名が現れた。膝が折れるだなんて散歩者には縁起でもない地名ということもあり、なんとなくこちらではないのではないかという感想をいだいた。そこで起動したナビウォーク。中継地点と目していた清瀬を検索してみたら、陽光の中かえって見にくい画面上にあらわれたコースは今まで歩いていたのとちょうど正反対だった。それに従って歩けども歩けども、清瀬の気配はどこにもなかった。それなのにだんだんあたりがにぎやかになってきて、駅が近いことを暗示していた。わかってしまえば話は早くて、それはスタート地点朝霞の隣駅朝霞台だった。むしろ朝霞より清瀬から遠のいてしまった。
なんと、ナビウォークは歩くのではなく、電車を使って移動する方法を提案してくれていたのだった。ああ、なんたる親切、深慮遠謀。ぼくは「申し出はうれしいのですが」と、やんわりその提案を断ったものの、そのあとどうしていいか完全に途方に暮れてしまった。どんなふうに途方に暮れたかは、今日の散歩コースの朝霞台駅近辺に如実に表れている。
気を取り直して、とりあえず歩けるところまで歩くことにした。できれば東京都の土は踏みたい、そんな思いで。途中からは野火止用水沿いに進む。左手には密林のような平林寺の境内。写真に撮るものは花くらいしかなくて、ツツジやハルジオンにレンズを向け、実はツツジが本命で1枚くらいは使えるんじゃないかと思っていたが、なんとまともに写っているのは1枚もなかった。さすがにちょっと下手すぎるな。
一度用水を見失うが再び合流して、以前も一度こうして用水沿いを歩いたことを思い出した。気ままに歩いているつもりでも、川がひとつに集まるように、同じところを歩いてしまうのだ。
そして今度はほんとうに用水から離れて細い道に足を踏み入れると、はるかかなたに西友が浮かび上がる。西武池袋線の清瀬駅前だ。ようやく東京都の土を踏む。遠かった。今までの散歩の最長タイ記録だ(途中、flickrでお世話になっているMさんのお住まいの前を通ったかもしれない)。
清瀬ではなぜだかいつもドリンクバー、と川柳でしめてみる。

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