雨上がりのさわやかさとはほど遠い肌寒さに出迎えられて、西武池袋線の東久留米から歩き始める。
駅舎からすぐそばにテラスがみえるのだが、そこにたどりつくにはいったん駅の外に出て、見つけにくい階段をのぼっていかなくてはいけない。富士見テラスという名の通り眼下に一直線に伸びた道路の向こうに富士山があるらしいのだが、この季節この気候では影も形もみえなかった。
目的地は先日行きそびれた滝山団地。なんで滝山団地かという理由はミーハーで、そこの商店街が映画『転々』のタイトルバックに使われたからだ。
めずらしく、神業のような舵捌きですんなりと目的地にたどりついた。三浦友和とオダギリジョーが通り抜けた既視感のある風景。オレンジがころがってきた八百屋、女子高生がでてきた音楽スクール。とても短いのだが映画で見たとおり活気のある商店街だった。
いわゆる下町情緒というのは下町と呼ばれる場所には今も昔も存在しなくて、幻想だと思っているのだけど、団地の中にはひょっとしたら実在するのかもしれない。中心部をはずれると一気に静かになって、年月を経た単調な建築物がキリコの絵のように孤独に立ち並ぶ。団地という空間はかなり好きな場所なのだ。
そんな団地とおさらばして車両行き止まりという路地に迷い込んだら、人も行き止まりだった。字義上間違っているわけじゃないけど、人も通り抜けられない道を車両行き止まりと表記するのはやめてほしいものだ。
中央線の駅にたどり着こうと思っていたけど、西武新宿線の田無に到着。
タリーズで、近くの席の2人の女性の会話を聴くともなく聞いてしまう。血液型と性格にはなんの関係もないよ、とつっこみたくなる。学校でちゃんと教えればいいのに。
ジュンク堂は(新宿店だけでなく池袋店も)ほんとうに大きいけど、ぼくだけかもしれないが、不思議に本にかこまれる楽しさが少ない場所だ。図書館のようにびっしり並べられた書棚に圧迫感を感じるからだろうか。謎だ。


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