午後はずっと雨だと思い込んでいて、ちゃんと雨の中行く場所まで準備していたのだが、雨はまだどこかで道草をくっていて、歩けるときに歩いておくかと、半信半疑ながらここではないどこかに向かった。
そのどこかはいったん信濃町に確定したのだが、意識と意識の合間に通り過ぎていて、結局一つ先の千駄ヶ谷から歩き始めたのだった。
雨が落ちそうで落ちないしみったれた空の下にそびえる西新宿の高層ビル群。いやしくも東京の達人を自認するなら(してないけど)、ビルの形状と外観を見ただけでビルの名前とおおよその位置を特定できなければならないと思い至った。白い壁に黒い窓が整然と並ぶKDDIビル、黒い要塞新宿モノリス、いびつな六角形新宿住友ビル、スレンダーな鏡面仕上げ新宿三井ビル、シックなベージュ新宿センタービル、貴婦人のように裾が広がった損保ジャパンビル。そして目下建設中のコクーンタワー。コクーンタワーはまさに繭のように丸みを帯びて人目をひくことこの上ないのだけど、写真にとるといまひとつおもしろくない。ほかのオーソドックスなビルの方がなぜかフォトジェニックだ。
東新宿駅あたりで雨がぽつりぽつりと落ちてきて、まるで、芝居の終わりのまばらな拍手のように、散歩の終わりを告げていた。
若松河田にたどりつくころにはもう雨は本降りで、地下に潜ったぼくは大江戸線で御徒町に出る。以前から気になっていた牛丼屋に入ってみたが、ごくふつうにおいしいという感想をいだいただけで、今日もまた落ちはない。


そうそう、特徴のあるたてものとか有名な(?)ビルとかって、けっこうつまんない写真になったりするんですよねー。こないだ 10mm もって都庁いって鼻息荒くして撮ってみたものの、なーんかイマイチでしょんぼりしておわりました(笑)。
やっぱり、その特徴をとらえるだけで満足してしまうからですかね?ぼくは21mmなんて半端なのが悪いんだと、画角のせいにしようと思ってましたけど。それにしても10mmうらやましいです。Pentaxにも10mm-17mmのズームがあるんですけど、ちょっと視野に入ってきました……。