Google Street Viewは町歩きが趣味のぼくにとって楽しくてかつ実用的な(歩いたコースを確認するときに使える)おもちゃだが、プライバシーとか治安とかで不安に思っている人もいるようだ。想像はできても、実感として彼らの気持ちはわからないのだが、他者の存在に希望を一切感じられず、よくてノイズ、悪ければ敵としか思えない日本社会の空気の反映なのかもしれない。
今日は、(2008年8月現在)大田区の中にぽっこり空いたGoogle Street Viewの網の目の空白地帯をゆく。というかぼくの寓居もまたその空白地帯のただ中にある。エリアには地価の高いところとそうでもないところが混在しているし、何かさしさわりのあるものがあるわけではないので、単に細い一方通行の道が多くて撮影が間に合わないだけなのだろう。
スタート地点は東急多摩川線の蒲田からひとつ目矢口渡駅。第二京浜を渡った久が原は高級住宅街なのだが、どこか田舎くさくて街としての魅力に欠ける気がする。その北に位置する馬込は無駄に坂が多くてくたびれるが、馬込文士村といわれるだけあって、かすかに文化の香りがするものの、もはや犬の嗅覚を持ってしてもかぎわけ不可能だ。ここはひとつGoogle Street Viewのない街として売り出してはどうだろうか。急いだ方がいいと思う。
雨はずっと降ったりやんだり。空気中に確率的に遍在していた水蒸気がぼくの目の中で実体化してピントを狂わし、その瞬間まわりの風景が華やかに崩壊する。それがカサをさす合図だ。
中延のあたりで久しぶりにアパートのベランダにぶらさがった照る照る坊主を見かけた。明日天気になれ。その願いは天に届くだろうか。ぼくの願いも便乗させてもらうことにした。そのすとんと落ちた肩にかけられた期待は大きいよ、テル君。
雨から守られたアーケードの商店街を通り抜けた先にある、東急池上線の荏原中延で散歩を終えた。このあと芝居をみることになっている。
今日芝居をみる劇場は大崎が最寄駅だが、五反田からも十分徒歩圏内だ。そのまま池上線で終点の五反田までいってしまおうと思ったが、ふと何度か入ったことのある蕎麦屋のことを思い出した。五反田からも歩けるが、一駅手前の大崎広小路からの方が近い(ちなみに名前は似ているが大崎と大崎広小路は特に近くない)。確か、昼に営業して中休みが入り5時からまた再開するはずだった。
いってみると仕度中の札。5時をまわる直前だったので、ブックオフをのぞいてから再びいてみても、変化なし。どうやら土曜は昼だけ営業のようだ。ちょっとがっかりするが、五反田駅前レミィの中の夢吟坊でうどんにありつく。渋谷の店にはよくいくが五反田ははじめて。微妙にメニューが違う。
レミィの中にはブックファーストもあるし、なんだか、ちょっと見ない間に、五反田が魅力的な街になっていた。
芝居の劇場はとてもユニークだった。芝居そのものもユニークだった。本谷有希子さんや佐々木敦さんの姿もお見かけした。なんかほくほくで小康状態の空の下大崎まで歩く。
- 天気
- 小雨
- 散歩
- 矢口渡駅~久が原~馬込~荏原中延駅(7.6km)-[地図]
- 写真
- 1/11
- 飲み食い
- 夢吟坊(五反田):野菜天せいろ-1130円
- タリーズ(五反田):ソイラテ-370円
- イベント
- アトリエヘリコプター(東五反田):サンプル『家族の肖像』


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