そっと忍びよるように9月はやってきて、誰にも知られないまま片隅にうずくまっていた。
土曜の浜松町駅はスーツケースをひきずったモノレールの利用客ばかりで、そんな人波ともいえない人波にまぎれこむようにモノレールに乗り込む。モノレールからのぞき込む臨海の町は、真新しいオレンジ色の光を浴びて、見知らぬ町のように見えた。
天王洲から北品川、坂を上れば御殿山。その先は大崎、五反田だ。
先々週芝居をみた風変わりな劇場の近くに日野学園という品川区立の小中一貫校があった。品川区では従来の学区制を廃止するとともに、こういった一貫校を数校設立するなど公教育復活のためのユニークな試みを行っている。いろいろ問題もあるんだろうけど、裕福でない家庭の子供でもちゃんとした教育を受けられるように、公教育にはがんばってほしいと思う(どんどんそれが不可能になりつつあるけど)。それはそうと、生徒たちが描いた絵が隣接する工事現場のフェンスに貼り出されていて、7年生とか、8年生とか、9年生という学年表記がとても新鮮に感じた(英語圏ではふつうに8th gradeとかいうようだが)。この学校の卒業生は中二病ではなく8年生病というべきなんだろう。
五反田を通り過ぎて高台にあがると五反田駅前の猥雑さからは想像できないお屋敷町が広がる。池田山公園の前の学校では何やらプールの工事中。鉄のパイプを縦横に通していたが、何のためだったのだろう。いずれにせよ夏は終わりだ。
それなりの蒸し暑さでそれなりに消耗して目黒で散歩を終える。のどが渇いたのでパスタと一緒にコーヒーでもと思ったが、値段がそれほどかわらないのでビールにしてしまった。汗をかいたあとのビールは格別だった。ほろ酔い加減で見る街はいつもとちょっとだけ違う表情を見せてくれたが、それはカメラには写らないのだった。


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