寒くなる前に横須賀にあるうみかぜの路という遊歩道を歩いてみたかった。JR横須賀駅から観音崎まで海沿いに10km以上続いているという。素直にJRでいってもよかったのだが、京急蒲田駅の高架工事の様子がみたかったこともあって(あと運賃も安いので)、京急でいくことにした。高架は駅の真上は上下線とも設置は完了しているが、まだ使用開始にはなっていなかった。
JR横須賀駅の京急での最寄駅は逸見だ。逸見から人の流れ(というほどでもない5,6人の集団だが)について行き地下道をくぐるとJR横須賀駅そしてその向こうの海岸沿いにヴェルニー公園が広がっていた。海辺の公園ということでそうなってしまうのかもしれないが、横浜の山下公園に似ているように感じた。あと海面を漂うゴミの量が半端じゃなかった。
公園は巨大なショッピングゾーンにぶつかって終わり、中を通り抜けたあとは、三笠公園の手前をのぞいてずっと車が激しく行き来する横須賀海岸道路に沿って歩かされる。遊歩道らしき緑地帯が一応設置されてはいるのだが、海とは反対側で、今ひとつ感じが出ないので、ぼくはずっと海側のふつうの歩道を歩き続けた。
うみかぜ公園でつかの間の休憩。ここもまたショッピングゾーンが隣接していて、横須賀市は都市計画をちゃんと考えているなと思った。家族連れなら、買い物ができて公園で遊べれば一石二鳥だろう。
大津漁港を過ぎたあたりで、海辺がようやくちゃんと遊歩道として整備されて、しかも幅が広くとってあるので、車の騒音も気にならない。これまでのスローペースをとりかえすようにハイペースですすんでいくが、やがてそれも終わって、また海岸道路に合流する。歩道は分離されていなくてしかも急な上り坂だ。
遊歩道の一部かどうかわからないが、ぼくは塀と海岸にはさまれた狭い路地に入り込む。一番狭いところだと幅2メートルくらいで高波がきたらおだぶつという感じだったが、砂浜に波が押し寄せて、今日ようやく海に触れることができたような気がした。
さらに進んでいくと浜は広くなって舟が何艘か打ち上げられて並んでいる。なんかドラム缶で火が燃やされていたので、火と海という構図もおもしろかろうとカメラにおさめる。また道路のほうに戻ろうとするとその様子をみていたらしい日焼けした50代くらいの女性に声をかけられた。火の写真をとっていたけどそれをどうするのか、火を撮るなんてあやしいことだしふつうじゃないと思わないかという。ぼくは彼女の想像力の貧困さにちょっとカチンときて、全然変なことだとは思わないと半ば挑発的にいって、結局理解し合えないまま、その場を立ち去ったのだけど、でも彼女の中の自分の理解できないものに対する恐怖がぼくのなかにまで広がってひとしきり嫌な気分を味わったのだった。たぶん、ぼくは写真を見せつつ、こういう意図で撮ったんですよ、どうです、芸術でしょ、とかいえばよかったのだろう。あいにく撮った写真はピンぼけだったけど。
観音崎のバス停にたどりついたときにはもう完全に夕闇がおりていた。本来ここまできたら灯台まで登ってみるべきだろうけど、もうそれは無理だった。そのままバスに乗って京急の馬堀海岸まで。昨日に続いて川崎まで一気にいってしまう。
穴子天せいろの天ぷらがやけに脂っこくって、もたれる。


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