歩き始めた時間は昨日と1時間くらいしか違わないのに、影はもう培養されたウイルスみたいに繁殖していた。強くて冷たい風がぼくの耳をひきちぎろうとする。
浜松町から竹芝の海辺。あるのは空虚ばかり。昨日はいっぱいの太陽の下、目の前に開けていた道が、今日は八方ふさがりだった。そんな中、慰めになったのは、CDの棚からひっぱりだした R.E.M. のベストアルバム "In TIme 1988 -2003"。久々に聴くとやっぱりいい。"Bad Day" なんて今日のための歌みたいだった。
It's been a bad day. Please don't take a picture...
歌われなくても、写真はあまり撮れなかったよ。
外苑前で切り上げて、渋谷に出る。正月から避難してきた人たちが大挙して押し寄せて道を埋め尽くしていた。営業をはじめた店はどこもいっぱい。年末に続いてまたしてもおひつ家に入り、せめてたぶん一番高いメニューのブリの照り焼きを注文する。
品川駅でみた不可解な光景。中年の赤ら顔の男性、がたいのいい若い男、そして中背の女性が階段の降り口でたむろっている。そこへ警官が2人やってくる。よくみると、若い男は、赤ら顔の男の胸ぐらをつかんで何やら強要しているように見える。若い男は笑顔で応じる。声は聞き取れないが、いや別に問題はないですよ、みたいな感じだ。赤ら顔の男も笑っている。警官たちは途方に暮れる。
買い物をしている間に、騒動が拡大していた。別の中年の男女があらわれて、女の方がさっきの赤ら顔の男にヘッドロックをしている。見守る警官たち。新年早々何が何だかわからない。


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