またしても予報は曇りときどき雨。その「とき」と「どき」の合間をみはらかって外にでてみた。
高島平は高層団地が林立し、昔は自殺の名所だったところだ。実際行ってみると禍々しさのようなものはまったくなくて、緑の多い、のどかな郊外の住宅地だ。自殺防止のため、今では立ち入りができなくなっているらしいが、一度団地の屋上からの風景を見てみたい気がする。
高島平を名乗る駅は都営三田線(地下鉄だがこのあたりでは高架を走っている)の都心に近い方から、高島平、新高島平、西高島平と三駅あるが、今日はその中から一度も乗降したことがない新高島平でおりてみる。団地が並ぶのは、東西に走る都営三田線の南側、高島平駅の東から新高島平駅の正面くらいまでで、新高間平駅でおりると、だいたい団地の西の縁に通じる。今日はそこから、団地の中には向かわず、さらに西、一般の住宅が並ぶ界隈を抜けてゆく。
高島平を縁取る首都高の上を渡ると、地名が三園に変わり「成増」を名乗る施設や建物が増えてくる。それも一瞬のことで、白子川の上の小さな橋を渡ると、埼玉県和光市だ。
rmsというのは Richard Matthew Stallman じゃなく、レインボーモータスクールという自動車学校。そこの敷地の脇を通ってずんずんいくと、下流域ではコンクリート護岸で情緒のない新河岸川が、野放図に植物に覆われて、思いがけずワイルドな姿をみせる。行く手は荒川の土手。のぼりつめて左右をうかがうと、右手すぐに荒川を越える橋、左手はるか向こうにも橋がある。はてさて、荒川を越えた方がいいんだろうか。
その答えを得るまで時間を稼ぎたかったので、とりあえず左を選ぶ。見下ろす新河岸川の対岸には閉じたビーチパラソル、小さなおそろいの椅子が二脚、その真ん中にさらに小さな椅子がひとつ。父母、それに小さな子供の三人家族用という感じだが、あまりに場違いだった。
いったん土手をおりて、再び新河岸川の対岸へ。新河岸川の橋一つ分だけ土手の上を歩いたことになるが、それまでの都市的な風景はどこかへいってしまい、農地と工場が華やぎのないパッチワークを形作っていた。
葉の上にテントウムシがとまっているのを写真に撮ろうとするが、ぼくのカメラ Pentax K10D は暗いところでのオートフォーカスが絶望的といっていいくらい苦手で、レンズは伸縮をくりかえすばかりで、一向に合焦しようとしない。マニュアルフォーカスに切り替えて撮ってみたが、結局うまくあわせられなかった。もうすぐ発売されるという K-7 ではそのあたりが改善されているというので、期待したいと思う。K10Dで一番不満な点なのだ。
水捌けの悪そうな低地から坂をのぼって、根岸台という台地へ。高低差で、あからさまに街の表情は変化する。
東武東上線の朝霞駅到着。到着するまで隣の朝霞台だと思い込んでいた。
池袋に出る。池袋そのものがヤンキーっぽい街だが、東口のサンシャインの方に進むとその濃度が増す。そして、本丸のサンシャインシティーへ。ここの飲食店も、ヤンキー御用達みたいな店ばかりだ。
食事の後、読んでいた本を読み終えたところなので、村上春樹の『1Q84』を買うかと、まずリブロ東池袋店をのぞくが、隅の方でようやく Book 2 をみつけただけで、 Book 1 は影も形もない。ジュンク堂でも、なんと平積みされた最後の一冊を若い男性が手にとって、こういうメジャーなのはまだ読まなくていいとかなんとかいって、戻すところをすかさずキャッチ。そっちだけ買ったが、Book 2 も残り少なかったので買っておくべきだったかもしれない。


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