携帯電話とiPodを忘れているのに気がついたのは駅についていざ改札を通ろうとしたときだった。戻ろうかとも思ったが、今日は芝居をみる予定もあり、時間がありあまるほどあるわけじゃない。通信端末としての機能はもとからどうでもいいが、Suica(定期券付き)とBGMをあきらめることにした。
定期券が使えるところにいくのはしゃくなので、久しぶりに切符を買って向かったのは、東急池上線の洗足池駅。改札のところで、ヘルメットを小脇に抱えたがたいのいい男が、駅員に、やけに横柄な口調で、洗足駅までの道のりをたずねていた。おおかた、洗足池と洗足駅を聞き間違えたのだろう。東急目黒線洗足駅はここから直線距離で1km以上北にある。日蓮が足を洗った故事がこれだけ広範囲の地名として残っているなんて、日蓮はどれだけ大足だったんだという話だ。
あっという間に池を半周する。こんなに小さかったか、洗足池。あたりは静かで気持ちいい住宅地だが、雨上がりの高い湿度が汗を絞り出そうとする。体調のせいもあって、ふらふらと羽化したばかり(ということは寿命間近)のカゲロウみたいに進んでゆくが、円融寺を過ぎたあたりからいい風がふいてきて、気分がよくなる。
池というよりは単なる釣り堀の清水池公園を抜けて、目黒通りを渡って東横線の線路に近づく前にできるだけ東へ進んでおこうとする。そろそろいい頃合いかなと思って、こちらが目黒通りだと思う方に進んでいくと、果たして大きな道路があって、その広さが一瞬とうの昔に渡った環七のようにみえたが、行き交う路線バスの行き先が、それが目黒通りであることを告げていた。
祐天寺を脇を通って中目黒に近づく。携帯電話とiPodがないので、時刻を確認するものが何もない。いやあった。デジカメの日時設定画面でかろうじて確認できた。微妙な時間になってきた。軽く食事をとって、そのまま劇場のある駒場に直行するのが、いい感じだ。池尻大橋のタリーズへ。
少し早いが、食べ物も飲み物もなくなったので、出ることにした。少し遠回りをして駒場にいこうと思ったら、かなり遠回りになってしまった。デジカメの時計だと開演10分前だったが、実は3分遅れていたので、7分前についたことになる。
芝居が終わっていつものように渋谷まで歩く。
先週買った『1Q84』のBook 1は今8割方読み終えたところ。そろそろBook 2を買うべきだが、今日はやめて、代わりに『1Q84』にちなんだ CDを買う。ヤナーチェックのシンフォニエッタは、主人公の一人青豆が買ったのはジョージ・セル指揮クリーヴランド管弦楽団演奏のものだが、カップリングされているバルトークの管弦楽協奏曲(これはシンフォニエッタよりはるかに名曲だと思う)のCDをすでに2枚も持っているので、マッケラス指揮ウィーンフィルにした。1980年のデジタル録音だ。一番最初にタクシーの中で青豆がきいたのはひょっとしたらこっちかもしれない。
もうひとつ、ふかえりが好きだというバッハの平均律クラヴィーアはグールドの演奏で。ふかえりにいわれなくても、もともと欲しかったCDだ。ヤナーチェックはすぐにあきてしまうかもしれないが、こちらは一生ものであることが保証されている。ところで、平均律は英語で well-tempered つまり「よく調律された」というのだ。
- 天気
- 曇りときどき晴れ
- 散歩
- 洗足池駅〜清水池公園〜祐天寺〜池尻大橋〜こまばアゴラ劇場(12.2km)-[地図]
- 写真
- 3/9
- 飲み食い
- タリーズ(池尻大橋):ハニーミルクラテ、ラタトゥユフォカッチャ-890円
- 買い物
- タワーレコード(渋谷):マッケラス指揮ウィーンフィル 『ヤナーチェック シンフォニエッタ他』、グレン・グールド『バッハ 平均律クラヴィーア I, II』- 7980円(うち1000円ポイント精算)
- イベント
- ハイバイ『リサイクルショップ『KOBITO』』

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