ネオ浅草

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神田駅の改札を出たところで、デジカメのメモリーカードをカードリーダーから抜いた記憶がまったくないことに気がついた。記憶が抜け落ちているだけならどんなにかいいかと思ったが、実際に抜け落ちていたのはやはりメモリーカードの方だった。

そういうときに限っていい被写体に見つけるのが人の世というかぼくの世の常。調達すべく隣の秋葉原に移動しようかと思ったが、そういえば神田駅の近くの中央通り沿いにカメラ屋があることを思い出した。カメラのキタムラ。ちょっと前までカメラのキムラだったはずだが、買収されて、「タ」が増えたのだ。

型落ちの読み書き速度がたいしたことないやつだと思うが、SanDisk の 4GB の SDカードが1480円で売っている。しかも携帯会員になればさらに10%引き。慣れない携帯を操作してどうにか会員にもぐりこむことに成功し、1332円で入手したのだった。

空はかなり暗くて、一触即発、一雨降らないではすまないような雰囲気だったが、どういうわけかぎりぎりのところでふみとどまってくれていた。そのモラトリアムを使って、日本橋裏のオフィス街。平日は絶えることなくサラリーマンが闊歩する街だけど、今日はゴーストタウンどころかゴーストさえいないゴーストレスタウンだった。それでも、そういう中をひとりで歩くことには、ストイックな快感があって、足取りにリズムが生まれる。

左右衛門橋通りに入り、左右衛門橋を渡り、総武線の高架をくぐるという3つのことが立て続けにおきる。生活圏に入り込んで、若干人通りが増える。昼歩くと平板この上ないが、このあたりは、夜仕事のあと気分転換に歩くと(実際はここまでくることはまれでもっと東側を歩いている)、妙な奥行きが感じられて、楽しいのだ。今日の散歩の成否は、この左右衛門橋通りを、どこでどちらの方に離れるかが握っているような気がした。

蔵前橋通り、春日通り、浅草通り、と大きな通りを3つやりすごして、結局浅草の街のにぎわいの魅力に抗しきれず、松ヶ谷のあたりで右折。あたりの家々には「矢先」と書かれた提灯がつり下げてあって、区々に人々が集い、御輿もでて、祭りの真っ最中。でも、それはほんとうにその一角だけで、合羽橋通りにたどりつくと、祭りの気配は消え失せていた。浅草周辺はこういう小さな祭りがたくさんあって、大きく浅草というくくりだけでみていると見逃してしまうものがたくさんありそうだ。

六区から花やしきの方へ。花やしきの前の古びた商店街が改装されてレトロな商店街にかわっていた。コスプレの若い男女が通りを闊歩していて、無国籍的な雰囲気にいい意味でめまいがしそうだった。「下町」のイメージを観光化した俗悪な街という色眼鏡で浅草をみてきたけど、どうもそれが変わりつつあるのをひしひしと感じた。おりしも、目の前にそびえる浅草寺の本堂も修繕工事中で、上空に山形に足場が組み上げられて、ピラミッドでもつくっているような壮大かつ奇怪なながめになっている。しばらく、浅草から目がはなせない。

南千住につく直前に雨がぽつぽつ落ちてきて、やがて本降りになった。蛍の光のような雨だった。

有楽町、そして銀座にでた。イトーシアができて、有楽町と銀座の間を、地下を通っていききできるようになったのが、とても便利だ。

天気
曇りのち雨
散歩
神田駅〜左右衛門橋通り〜浅草〜南千住駅(8.2km)-[地図]
写真
2/14
飲み食い
スターバックス(銀座マロニエ通り):カプチーノ、フィローネスパイシーチキン - 860円
買い物
キタムラ(日本橋店だけど場所は神田駅そば):SanDisk SDカード 4GB - 1332円
ブックファースト(銀座):モンキービジネス 2009 Spring vol.5 対話号 - 1365円

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