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京急空港線羽田空港のひとつ手前天空橋で下車する。空港線が名前通りほんとうに羽田空港に延伸する前には、羽田空港とか羽田という名前を名乗り、象徴的な役割を担っていた駅だ。

地上にあがると空港島の縁で、目の前の海老取川をわたると、空港とは無縁のローカルな羽田の街並が広がる。それなりに近いところに住んでいるというのに、というよりそれだからこその灯台下暗し効果で、はじめての穴守稲荷、はじめての萩中公園。続いて、かなり賑わっている萩中の商店街。近くに住むまでは場末で何もないところだと思い込んでいたが、このあたりはかなり商店街が発達しているのだ。

そしてもうひとつ最大の「はじめて」。悪名高いタイヤ公園を通り過ぎ、散歩という営みの中ではじめてちょうど干支がひとまわりする間住んだわが庵の前を通りすぎた。いつもとは反対の側からみるアパートメントは全然しらない建物みたいだった。たぶんぼくの部屋の中には見知らぬ人たちが住んでいて、ドアベルを鳴らすと、間に合ってますという冷たい声が返ってくるような気がした。

このあたりを歩いていると不可避的に多摩川の河原に出てしまう。もう太陽は川崎側のビルの向こうに沈み、その名残のオレンジ色の空。第二京浜にぶつかったところで河原を離れて、幽鬼のように夜になるとさまよいでてくる冷たい風に吹かれながら東急多摩川線の下丸子まで。[天空橋駅〜穴守稲荷〜萩中公園〜タイヤ公園〜下丸子駅(8.9km)[地図]]

蒲田に出てヘアカット。もうかなりうざくなっていって、今日こういうコースを選んだのも、早めにあがって髪を切ろうと思ったからだった。さっぱり。ボジョレヌヴォーを買って家路につく。

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