予報は曇りと雨の間を二転三転。どちらかを気にしてもあまり意味はなくて、要はいつ降ってもおかしくない、おそらくは薄暗い日だ。案の定、江戸川にほど近い東京都の端、都営新宿線の篠崎駅で降り立ったぼくを迎えたのは雨だった。冷たい雨だ。
幸い雨はすぐあがったが、暗い空の下モチヴェーションはナッシング。人工のせせらぎ沿いを歩いて行くうちに、江戸川区鹿骨。「しかぼね」でなく「ししぼね」と読むところや、鹿の骨という名前が『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』を彷彿とさせるところがいいが、街並はごくふつうの東京極東部だ。
右手に緑のかたまりが見えたので、近づいてみると公園だった。このあたり一帯断続的に広がっている篠崎公園という公園だ。入口に近いところに猫たちが八匹身を寄せ合っていた。見張り役みたいに黒猫が一匹だけ起きていて、残りの猫は安心しきって眠っている。猫のコミューン、ネコミューンまたは猫のコロニー、ネコロニーとでもいうべき理想郷か。
どんどん暗くなってどんどん寒くなってきた。どんどんどんどん。せっかくなので市川橋を渡る。長い橋を渡っていると、その間に大地震が来て橋が倒壊したら、眼下の黒い川に沈んでいくということが怖くなって、かなりの早足になる。
「千葉へようこそ」という看板に出迎えられて、市川まで。あとから全然距離を歩いていないことに驚いた。心理的には10km近く歩いているつもりだった。[篠崎駅〜篠崎公園〜市川橋〜市川駅(6.8km)[地図]]
東京駅に出た。丸善で前田司郎『愛でもない青春でもない旅立たない』(550円)を買って、アルプスで麻婆カレー(450円)、京橋のスタバでぬるいカフェモカ(330円)。寒い中銀座まで歩く。


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