奇しくも歩き始めたのは昨日とほぼ同じ時刻。ただ場所ははるか西、はるか郊外。京王相模原線の若葉台駅だ。
駅は、神奈川県川崎市と東京都稲城市の境界の斜面に作られている。北の稲城市側が上りなので、駅前のショッピングセンターは改札をぬけてからエスカレーターで上って、陸橋を渡った向こう側にある。市街地では考えられないくらいゆったりとした建物の配置だ。ある意味ぜいたく、ある意味閑散。だから、そのあたりは半分公園みたいなものだったが、まっすぐ進んでいくと、ほんとうの公園の中に入る。
園内の行く手は左から右に向けて地面が落ち込んで河岸段丘のような段々の斜面を形作っていた。3Dメガネでみたくなるような風景だ。
公園の外に出てどこかに向かう道路。そのどこかは多摩カントリークラブであり、稲城中央公園だった。目の前の陸橋のアーチにそそられてわざわざ渡ってみる。そして向陽台の住宅地の中をむける遊歩道。
学校の前で自転車に乗った小学校高学年くらいの少年か少女かよくわからない中性的というのとも違う子供が、いきなり話しかけてきた。その前に中年の女性と話していて、てっきり母親かと思ったが、そういうわけでもないらしい。声からするとたぶん少女だろうか、「ひとつ質問してもいいですか」というのでうなずいたら、「〜ちゃんのお父さんですか」と笑う。「はあ?」という感じだったが、一応否定はしておいた。そうしたら矢継ぎ早に、「○○先生ですか、△△先生ですか、□□先生ですか」と畳みかけてきた。もちろん、ぼくはその誰でもなかった。きみきみ、純真な大人をからかってはいけないよ。笑いながら否定して、その場をあとにする。
南武線の線路にぶつかった。左手に進むと南多摩駅だが、府中街道に入って多摩川を渡ってしまうことにした。渡り終えてから、これから府中市内の駅があるところまで歩くの面倒だなと思い始めて、ひょっとしたら西武多摩川線がこのあたりまで来てなかったかなと気がついて、右手をみたらどんぴしゃで西武多摩川線の終着駅是政がみえた。[若葉台駅〜稲城中央公園〜是政橋〜是政駅(6.3km)[地図]]
吉祥寺まで出る。そんなつもりなかったのだが、和幸の前を通ったら猛烈にとんかつが食べたくなってきて、店内に引き込まれた。とんかつのほかにメンチがついてくるさざんか1134円。ほんとうに久しぶりのとんかつで、一口ごとに猛烈な幸福感がやってきた。キャベツもおかわりだ。
そして満足感とともに、スタバでカプチーノ(420円)。啓文堂書店で矢作俊彦『あ・じゃ・ぱん」の下巻を買う。

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