the sunny side of the river

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double meaning - IMGP0834

退屈さと猛烈な風の冷たさは保証済み。めげずに向かったのははるか北方、腹部でも胸部でもなく東武動物公園だ。といっても目的は動物園じゃなく、近くを流れる川大落古利根川(おおおとしふるとねがわ)リバーサイドウォーク。

記録はなし、記憶も定かじゃないが、10年以上前、ひょっとすると15年以上前かもしれないが、この川沿いを軽く歩いたことがある。そのころ北村薫の円紫師匠シリーズが好きで、主人公の女子大生が住んでいるのがこのあたりではないかと思い定めて、ストーカーチックに歩いてみたのだ。今思えば、いかにも高校国語教師的な、滅菌された文学観が鼻につくし、主人公もあまりにも理想化されたティーチャーズペット的なキャラクターだが、その頃は、そこに萌えていたのだろう。

そういう文学的感傷はもう今となってはどうでもいいのだが、せっかく歩いたのに、その記録がどこにも残っていないのはさみしい。再現しよう。という思いが、あまり気が進まない地域だけにかえって義務感としてめばえてきたのだった。それで、日曜日に続いて、東武伊勢崎線に乗り込んだというわけだ。

上で、記憶も定かじゃないと書いたが、歩き終えたのは春日部なのは間違いない。歩き始めたのは最初東武動物公園かと思ったが、記憶の断片をつなぎあわせると、たぶん一つ手前の姫宮だったんじゃないかと思う。でも乗り込んだのが急行電車で姫宮を通過してしまったこともあり、再現といってもまったく同一のコースを歩く必要はなく、その精神をいかせばいい。というわけで、すっかり前置きが長くなってしまったが、最初書いた通り東武動物公園から歩き始めたわけだ。

駅前からまっすぐ歩くとすぐ大落古利根川にぶつかった。かなり川幅があり、両岸に土手が広がる一級河川だ。こぢんまりして手をのばせば水に触れられる小川の印象がぼんやり残っているが、それはやはり、姫宮駅前を流れる大落古利根川の支流の記憶なのだろう。このあたりは大小の河川が都心の地下鉄みたいに入り組んで流れている。

最初橋を渡らずに「こちら側」を歩いたが、寒風にあおられながらほとんど日陰の中。向こう岸には遮るものなく燦々と日射しが降り注いでいる。岸辺にボートが舫われている。なんだか「こちら側」を歩いているのがばかみたいだった。やはり太陽のあたる側を歩かなくては。次の橋で向こう岸に渡った。

寒風は同じだが、太陽の下歩いていると身体が温まってくる。風景も光と影のタペストリーを繰り広げていて、思ったより退屈じゃなかった。久しぶりに手応えのある写真が何枚か撮れた。

やがて、太陽が進行方向のちょっと右側に沈むと共に、向こう岸に見覚えのある看板を掲げたビルディングがみえてきて橋と橋の間隔が短くなった。春日部の街だ。だが、もう少しだけ川縁を歩くことにする。

夕暮れと共に川を渡る風は厳しさをまし、ぼくもいよいよ川縁を離れ、クロージングタイムに入る。名前は覚えてないが確かその先に東武野田線の駅があるはずだった。

目論見通りたどり着いた。駅名はふじの藤の牛島というちょっと不思議な名前だった。[東武動物公園駅〜大落古利根川〜藤の牛島駅(9.6km)[地図]]

春日部までは一駅。春日部で、やってきた電車は日光線から直通の区間快速で、車輪のところに雪が付着して、車内の床も濡れていた。こちらはこんなに悲しいくらい晴れているのに、日光方面は楽しく雪らしい。快速は、運賃以外の料金不要の電車としては最速。春日部の次はもう北千住だ。そして、その次は終点浅草。銀座線に乗り換えて、日本橋。そしていつもの八重洲地下街へ。

アルプスで麻婆カレー450円。有楽町まで歩いてスタバでキャラメルマキアートをすすりながら、ペーパーバックを読み進める。

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